diary

読んだ

自分用メモ・ノート

若尾政希「『浮世物語』から時代を読む--近世人の思想形成と書物 」2008

内容 近世人は本を読んで思想を形成できたのか。 17世紀、寛文ころまでの時期は商業出版の黎明期。この頃の特徴は二つ。①それまで公家などに囲われてきた作品(徒然草や太平記、源氏物語など)が公開出版されて「古典」となっていく②仮名草子が作られる。 …

青木美智男「近世後期、読者としての江戸下層社会の女性--式亭三馬『浮世風呂』を素材に」2000

内容 幕末~明治に来日した欧米人が注目した女性の識字力と読書。本稿は近世後期の下層社会の女性の読書の質を、式亭三馬の「浮世風呂」を通じて検討する。前田愛『近代読書の成立』は当時の庶民女性のリテラシイを低く見ているのではないか。 「浮世風呂」…

青木美智男「近世後期女性の読書と蔵書について」2015

情報 青木美智男「近世後期女性の読書と蔵書について」(シリーズ〈本の文化史〉1『読書と読者』(横田冬彦編, 平凡社, 2015.5)第七章 所収 https://ci.nii.ac.jp/ncid/BB18778430 青木さんは2013年に亡くなっておられる。この文は2008/1の 「「書物出版」…

大谷正「在米日本公使館「書記官」D・W・スチーブンスについて : 大隈外相期と陸奥外相期に限定して」2014

2017/06/23記 大谷正. 2014. 「在米日本公使館「書記官」D・W・スチーブンスについて : 大隈外相期と陸奥外相期に限定して」『メディア史研究』36 在米日本公使館で活動したスチーブンスに着目することで、「明治中期になると日本人外交官の育成が進み、お雇…

前田勉「林家三代の学問・教育論」2015

2017/06/12記 前田勉. 2015. 「林家三代の学問・教育論」『日本文化論叢』(23)『江戸教育思想史研究』2016年に補訂されて載っている。 幕末・明治に政治的な討議を行う公共空間を準備したとされる、江戸時代の会読。その起源は荻生徂徠とされてきたが、更に…

藤野裕子「表象をつなぐ想像力 : ルポルタージュ読解試論 」2013

2017-06-03記 藤野裕子. 2013. 「表象をつなぐ想像力 : ルポルタージュ読解試論 (特集 史料の力,歴史家をかこむ磁場 : 史料読解の認識構造(2))」『歴史学研究 = The journal of historical studies』(913) 自ら史料を残さない主体の世界 をルポルタージュか…

広瀬和雄「古墳時代像再構築のための考察--前方後円墳時代は律令国家の前史か」2009

2017-06-03記 広瀬和雄. 2009. 「古墳時代像再構築のための考察–前方後円墳時代は律令国家の前史か」『国立歴史民俗博物館研究報告』150 長い。100p以上の大作。考古学研究の現状批判に費やされる部分がとても多い。記紀などの文献に安易に頼っていて、考古…

前田勉「近世日本教育史序説 : 「教育」概念を中心に」2016

2017/6/1記 前田勉. 2016. 「近世日本教育史序説 : 「教育」概念を中心に」『日本文化論叢』(24) 江戸期の「教育」という言葉を広く検索することで近世と近代の連続・断絶問題に対して再考を試みる。ということで「教育」という言葉が使われた例を林鵞峰から…

福永伸哉「古墳の出現と中央政権の儀礼管理」1999

2017/5/31記 福永 伸哉. 1999. 「古墳の出現と中央政権の儀礼管理 (考古学研究会第45回総会講演・研究報告)」『考古学研究』46(2) 「多様な前史をもつ広い地域に初期の前方後円墳が短期間のうちに広がった要因は何か?」という問いを掲げつつ、文化人類学で…

和田晴吾「古墳時代の生業と社会--古墳の秩序と生産・流通システム」2003

2017/5/30記 和田 晴吾. 2003. 「古墳時代の生業と社会–古墳の秩序と生産・流通システム」『考古学研究』50(3) 「古墳文化論」で述べられていた生産・流通システムを詳述したものとして読む。多数行われている個別研究を見渡して全体を捉えていこうとする試…

和田晴吾「古墳時代研究小史」2011

2017/5/30記 和田晴吾. 2011. 「古墳時代研究小史」広瀬 和雄・和田 晴吾編『講座日本の考古学7 古墳時代(上)』青木書店 江戸時代から1960年代までの古墳時代研究史。胎動期(江戸)・揺籃期(明治大正)・生成期(昭和前期~1945)・発展前期(昭和中期1…

福永伸哉「 前方後円墳の成立 」2013

2017/5/29記 福永伸哉. 2013. 「 前方後円墳の成立 」大津透ほか編『岩波講座日本歴史 第1巻 : 原始・古代1』岩波書店 「前方後円墳成立の意義」を研究史・研究の新潮流と関連付けながら、検討する。著者の専門の三角縁神獣鏡あたりも述べられるが一部に留ま…

長野ひろ子「幕藩制国家の構造と女性-成立期を中心に-」 1990

2017/5/29記 長野 ひろ子. 1990. 「幕藩制国家の構造と女性-成立期を中心に-」近世女性史研究会編『江戸時代の女性たち』吉川弘文館 幕藩制国家の政治構造・権力構造のなかにおいて、女性がいかなる位置にあり、またどのような役割を果たしていたか?につ…

2018年3月の読書と感想

タマゴマジック 友人に借りて。/ 「魔術師 一九九九」の赤い犬の話とか学校の椅子がなくなる話、読んだことあるぞ、と思ったら、『象と耳鳴り』に入っている話だった。残りは初めて読んだ。エッセイは初読のはずなんだがなんとなく恩田さんの筆で読んだこと…

2018年2月の読書と感想

朝鮮思想全史 (ちくま新書) 神話から現代北朝鮮のチュチェ思想や韓国のポストモダンまで、朝鮮の政治・思想・宗教・文学についての通史。 /朝鮮思想史の入門書がこれまでなかったから書いたもので、なるべく客観的に叙述したとのこと。そのわりには感情的で…

2018年1月の読書と感想

漢文法基礎 本当にわかる漢文入門 (講談社学術文庫)二畳庵主人,加地 伸行 2018/01/03 年明け一冊目。初心というか高校生に返って漢文法基礎。受験がちょうどおわってからくらいに出たはず。結局買っただけで読んでいなかった。/受験では漢文はほとんど出な…

2017年12月の読書と感想

自由民権運動――〈デモクラシー〉の夢と挫折 (岩波新書)の感想 再読。初読から一ヶ月しか経っていないが。/身分制社会(「袋」の社会)は戊辰戦争をきっかけに解体していくが、それにかわる新しい社会のあり方は不透明だった。その新しい社会=ポスト身分制…

2017年11月の読書と感想

自由民権運動――〈デモクラシー〉の夢と挫折 (岩波新書)の感想 自由民権運動とは、①近世身分制社会に変わる新しい社会(「ポスト身分制社会」)を、自分たちの手でつくり出そうとする運動だった。②「戊辰戦後デモクラシー」だった。③多様な運動と構想が存在し…

2017年10月の読書と感想

マルチバース宇宙論入門 私たちはなぜ〈この宇宙〉にいるのか (星海社新書)の感想 最新の宇宙論のわかりやすい解説。わかりやすいといっても僕には理論的な部分はわからないが。。。クオークも超弦理論も出てきて難しい。宇宙のイメージだけは掴めたかな。/…

2017年9月の読書と感想

1990年代論 (河出ブックス)の感想 東・速水・大澤の共同討議と、宮台・田原へのインタビュー、そして70年代80年代生まれの論者による各ジャンルの90年代論。/90年代初頭生まれとしては、リアルタイムで経験していない部分が多く、ほとんど「後追い…

2017年8月の読書と感想

サピエンス全史(上)文明の構造と人類の幸福の感想ホモ・サピエンスという種の歴史をその最初から物語る本。ホモ・サピエンス以外のホモ属の生物を「人類」といい、ホモ・サピエンスを「サピエンス」としている。七万年前の認知革命、一万二千年前の農業革命…

2017年7月の読書と感想

大きな鳥にさらわれないようの感想神話的だ。とてもとてもよい。 ”神話って、なあに。神の話よ。神って、なあに。わからないけれど、工場みたいなものじゃないかしら。”読了日:07月02日 著者:川上 弘美 人類最古の哲学 カイエ・ソバージュ(1) (講談社選書…

2017年6月の読書と感想

都市と暴動の民衆史 東京・1905-1923年の感想 日比谷焼打事件から米騒動、関東大震災での朝鮮人虐殺まで。都市暴動に参加する下層男性労働者たちの人的ネットワーク(親分子分関係)や文化(「男らしさ」の論理)などを考察する四~六章が面白い。/「男らし…

2017年5月の読書と感想

戦後ドイツ―その知的歴史 (岩波新書)の感想東西ドイツの統一1年後に書かれたもの。第二次世界大戦後の西ドイツの思想について。もっと読まれるべき本(どれくらい読まれているのかは知らない)、戦後日本を考えるために。/歴史家論争およびハーバーマスの…

2017年3月の読書と感想

いまさら翼といわれても米澤 穂信 電子書籍で読了。文庫が出たら買おう。 4人のことを忘れちゃっているかと思ったけど、そんなことはなかった。奉太郎の繊細さに息をのんでしまうシーンが何度も。苦しいけれど美しい生を生きてる。表題作、いいです。「箱の…

2017年1~2月の読書と感想

きみを嫌いな奴はクズだよ (現代歌人シリーズ12)木下 龍也 初短歌集。Twitterで作者を知ったからなのか、それとは関係ないのか、つぶやきを読んでいる気分。 自分の声を聞いているみたいでくすぐったすぎて、素直に読み進められなかった。 「だけだもの」の…

2017年4月の読書と感想

読んだ本の数:23読んだページ数:5699高度成長―シリーズ日本近現代史〈8〉 (岩波新書)読了日:04月01日 著者:武田 晴人 帝国大学―近代日本のエリート育成装置 (中公新書)の感想旧制高校制・講座制・学位制度・特別会計制度などの特権的な制度に守られた帝…